OBS Studio(Open Broadcaster Software)を使用して配信やレコーディングを行う際、音声遅延や音ズレの問題に悩まされることがあります。この問題は視聴者にとって非常に不快な体験となり、コンテンツの品質を大きく損なう可能性があります。本記事では、OBSで発生する音声遅延の原因を詳しく分析し、効果的な解決方法を10選ご紹介します。
目次
- OBS音声遅延とは
- 音声遅延が発生する主な原因
- OBS内での基本的な音声遅延修正方法
- ハードウェア関連の解決方法
- 高度な音声同期設定
- 第三者ソフトウェアを活用した解決方法
- 配信プラットフォーム別の対策
- トラブルシューティング
- 音声遅延の予防策
- まとめ
OBS音声遅延とは
OBS音声遅延とは、映像と音声の同期がずれてしまう現象のことです。具体的には、話している口の動きと実際に聞こえる音声にタイムラグが生じ、視聴者にとって違和感のある配信やレコーディングになってしまいます。
音声遅延の症状
- 口パクのように見える(音声が映像より遅れる)
- 音声が先行して聞こえる(音声が映像より早い)
- ゲーム音とマイク音声の同期がずれる
- BGMと音声のタイミングが合わない
音声遅延が発生する主な原因
ハードウェア関連の原因
1. オーディオインターフェースの遅延
- USB接続のオーディオデバイスの処理遅延
- ドライバーの問題
- バッファサイズの設定不良
2. マイクロフォンの問題
- USBマイクの内蔵処理による遅延
- ワイヤレスマイクの電波遅延
- マイクのサンプリングレート不一致
3. システムリソース不足
- CPUの処理能力不足
- メモリ不足
- ストレージの読み書き速度
ソフトウェア関連の原因
1. OBS設定の問題
- オーディオバッファリング設定
- エンコーダー設定の不適切な構成
- フィルター処理による遅延
2. ドライバーの問題
- 古いオーディオドライバー
- 互換性のないドライバー
- Windows標準ドライバーの使用
3. 他のソフトウェアとの競合
- 音声処理ソフトウェアの干渉
- ゲームの音声処理
- システムの音声エフェクト
OBS内での基本的な音声遅延修正方法
方法1: オーディオ同期オフセットの調整
- OBSの「音声ミキサー」で問題のある音声ソースを右クリック
- 「フィルタ」を選択
- 「+」ボタンをクリックして「音声同期オフセット」を追加
- 遅延時間をミリ秒単位で調整(通常は-500ms~+500ms)
- 「閉じる」をクリックして設定を保存
方法2: 音声詳細プロパティでの調整
- 「ファイル」→「設定」→「音声」を開く
- 「音声詳細プロパティ」をクリック
- 各音声ソースの「同期オフセット」を調整
- リアルタイムでプレビューしながら最適な値を見つける
方法3: サンプリングレートの統一
- 「設定」→「音声」を開く
- 「サンプリングレート」を44.1kHzまたは48kHzに設定
- すべての音声デバイスを同じサンプリングレートに統一
- 「適用」をクリックして設定を保存
ハードウェア関連の解決方法
方法4: オーディオドライバーの更新
- デバイスマネージャーを開く
- 「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」を展開
- 音声デバイスを右クリックして「ドライバーの更新」を選択
- 最新のドライバーをインストール
- システムを再起動
方法5: ASIO4ALLの使用
- ASIO4ALLをダウンロードしてインストール
- OBSの設定で音声デバイスをASIO4ALLに変更
- ASIO4ALLの設定でバッファサイズを調整
- 遅延を最小限に抑える設定を適用
方法6: 専用オーディオインターフェースの使用
高品質な配信を目指す場合は、以下のような専用オーディオインターフェースの導入を検討してください:
- Focusrite Scarlett Solo
- PreSonus AudioBox USB 96
- Behringer U-Phoria UM2
高度な音声同期設定
方法7: マルチトラック録音の活用
- OBSの「設定」→「出力」を開く
- 「録画」タブで「音声トラック」を複数選択
- 各音声ソースを異なるトラックに割り当て
- 後編集で音声同期を調整
方法8: VST プラグインの使用
- OBS Studio用のVSTプラグインをインストール
- 音声ソースにVSTフィルターを追加
- 遅延補正機能付きのVSTプラグインを使用
- リアルタイムで音声処理と同期調整を実行
第三者ソフトウェアを活用した解決方法
方法9: VoiceMeeterの使用

公式サイト:https://vb-audio.com/Voicemeeter/
VoiceMeeterは、仮想音声ミキサーソフトウェアとして音声ルーティングと遅延調整に優れた機能を提供します。
主な機能:
- 複数の音声入力の統合管理
- リアルタイム音声処理
- 遅延補正機能
- 高度な音声ルーティング
使用方法:
- VoiceMeeterをダウンロードしてインストール
- 音声デバイスをVoiceMeeterに設定
- OBSでVoiceMeeter出力を音声ソースとして選択
- VoiceMeeter内で遅延調整を実行
方法10: Audacityでの事後修正

公式サイト:https://www.audacityteam.org/
Audacityは、録音後の音声編集で遅延を修正する際に有効です。
主な機能:
- 音声波形の視覚的編集
- タイムシフト機能
- 音声同期の精密調整
- 無料で高機能な音声編集
使用方法:
- OBSで録画したファイルをAudacityで開く
- 音声トラックと映像を比較
- 「エフェクト」→「遅延」で時間調整
- 同期の取れた音声ファイルとして書き出し
配信プラットフォーム別の対策
YouTube Live配信での対策
- ストリームキーの設定確認
- 配信遅延設定の調整
- 超低遅延モードの活用
Twitch配信での対策
- 配信品質設定の最適化
- Twitchスタジオとの連携
- チャット遅延との同期調整
Discord配信での対策
- 音声品質設定の調整
- 画面共有時の音声設定
- ノイズ抑制機能の調整
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
問題1: 設定を変更しても改善されない
- OBSを完全に再起動
- システムの再起動
- 設定ファイルのリセット
問題2: 特定のゲームでのみ音ズレが発生
- ゲームの音声設定確認
- 排他モードの無効化
- ゲーム音声キャプチャ方法の変更
問題3: マイクとデスクトップ音声の同期がずれる
- 両方の音声ソースに同じオフセット値を適用
- 音声モニタリング設定の確認
- バッファリング設定の調整
音声遅延の予防策
定期的なメンテナンス
1. ドライバーの定期更新
- 月1回のドライバー確認
- 自動更新の設定
- 互換性テストの実施
2. システムの最適化
- 不要なプログラムの終了
- システムリソースの監視
- 定期的なシステムクリーンアップ
3. 設定の定期確認
- 音声設定の定期チェック
- 新しいデバイス追加時の設定確認
- バックアップ設定の作成
推奨システム構成
最小要件:
- CPU: Intel Core i5-4590 / AMD FX 8350以上
- メモリ: 8GB RAM以上
- 音声: 専用サウンドカードまたはUSBオーディオインターフェース
推奨要件:
- CPU: Intel Core i7-8700K / AMD Ryzen 7 2700X以上
- メモリ: 16GB RAM以上
- 音声: プロ仕様オーディオインターフェース
まとめ
OBSでの音声遅延問題は、適切な設定と対策により確実に解決できます。本記事で紹介した10の方法を段階的に試すことで、ほとんどの音ズレ問題を解決できるでしょう。
重要なポイント:
- 基本設定の確認: まずはOBS内の音声同期オフセット調整から始める
- ハードウェアの最適化: ドライバー更新と専用機器の導入を検討
- 第三者ソフトウェアの活用: VoiceMeeterやAudacityなどの専門ツールを使用
- 定期的なメンテナンス: システムとドライバーの定期更新を心がける
音声品質は配信やレコーディングの成功に直結する重要な要素です。視聴者に快適な視聴体験を提供するため、これらの対策を実践して音声遅延のない高品質なコンテンツ制作を目指しましょう。