「圧縮フォルダの展開を完了できません」というエラーメッセージが表示されて、大切なファイルにアクセスできずに困っていませんか？
このエラーは、ZIPファイルやRARファイルなどの圧縮ファイルを展開（解凍）しようとした際に発生する一般的な問題です。原因はファイルの破損から権限設定まで様々ですが、適切な対処法を知っていれば、ほとんどの場合で解決できます。
この記事では、「展開を完了できません」エラーの原因を詳しく分析し、初心者の方でも簡単に実行できる解決方法を10選ご紹介します。さらに、ファイル修復ツールや代替解凍ソフトの活用方法、今後同じ問題を防ぐための予防策まで、包括的に解説していきますね。
目次
「展開を完了できません」エラーとは
「展開を完了できません」エラーは、Windowsの標準機能で圧縮ファイル（主にZIPファイル）を展開しようとした際に表示されるエラーメッセージです。
よく見られるエラーメッセージ
- 「Windows cannot complete the extraction」
- 「展開を完了できません」
- 「The destination file could not be created」
- 「アクセスが拒否されました」
このエラーが発生すると、圧縮ファイル内のデータにアクセスできなくなり、重要なファイルが取り出せない状況になってしまいます。
エラーが発生する主な原因
「展開を完了できません」エラーが発生する原因は、大きく分けて以下の6つです。
1. ファイルの破損・不完全
- ダウンロード中の中断
- ストレージデバイスの物理的損傷
- ウイルス感染による破損
2. 権限・アクセス制限
- 管理者権限の不足
- ファイルやフォルダのアクセス権限設定
- セキュリティソフトによるブロック
3. ファイルパスの問題
- ファイル名が長すぎる
- 特殊文字の使用
- 日本語文字化け
4. 容量・空き領域不足
- 展開先ドライブの容量不足
- 一時フォルダの容量不足
5. パスワード・暗号化
- パスワード保護されたファイル
- 暗号化設定の問題
6. システム・ソフトウェア
- Windowsシステムファイルの破損
- 古いバージョンの解凍ソフト
基本的な解決方法5選
まずは、簡単に試せる基本的な解決方法から始めましょう。
解決方法1: 管理者権限で実行
最も簡単で効果的な方法です。
手順：
- 圧縮ファイルを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- ユーザーアカウント制御で「はい」をクリック
- 展開を再試行
解決方法2: 展開先を変更
展開先フォルダの権限や容量に問題がある場合に有効です。
手順：
- 圧縮ファイルを右クリック
- 「すべて展開」を選択
- 「参照」ボタンをクリック
- デスクトップやドキュメントフォルダなど、別の場所を指定
- 「展開」をクリック
解決方法3: ファイル名を短縮
ファイル名が長すぎる場合の対処法です。
手順：
- 圧縮ファイルを右クリック
- 「名前の変更」を選択
- ファイル名を短く変更（例：「data.zip」）
- 展開を再試行
解決方法4: 一時的にセキュリティソフトを無効化
セキュリティソフトがブロックしている可能性があります。
手順：
- セキュリティソフトを一時的に無効化
- 圧縮ファイルの展開を実行
- 展開完了後、セキュリティソフトを再有効化
注意： セキュリティソフトの無効化は最小限の時間に留めてください。
解決方法5: システムファイルチェッカーの実行
Windowsシステムファイルの破損を修復します。
手順：
- スタートボタンを右クリック
- 「Windows PowerShell（管理者）」を選択
- 以下のコマンドを入力：
sfc /scannow - スキャン完了後、パソコンを再起動
- 展開を再試行
高度な解決方法5選
基本的な方法で解決しない場合は、以下の高度な方法を試してみましょう。
解決方法6: レジストリの修復
Windowsレジストリの問題を修復します。
手順：
- Windows + R キーを押す
- 「regedit」と入力してEnterキー
- 以下のパスに移動：
HKEY_CLASSES_ROOT\.zip - 右側で「(既定)」をダブルクリック
- 値のデータを「CompressedFolder」に変更
- レジストリエディタを閉じて再起動
解決方法7: DISMコマンドによるシステム修復
より深いレベルでのシステム修復を行います。
手順：
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを順番に実行：
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth- 完了後、
sfc /scannowを実行 - 再起動後、展開を再試行
解決方法8: 新しいユーザーアカウントで試行
現在のユーザーアカウントに問題がある場合の対処法です。
手順：
- 設定 > アカウント > 家族とその他のユーザー
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリック
- 新しい管理者アカウントを作成
- 新しいアカウントでログイン
- 圧縮ファイルの展開を試行
解決方法9: セーフモードでの展開
最小限のシステム環境で展開を試みます。
手順：
- 設定 > 更新とセキュリティ > 回復
- 「今すぐ再起動」をクリック（PCの起動をカスタマイズ）
- トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定
- 「再起動」をクリック
- セーフモードを選択
- セーフモードで圧縮ファイルの展開を試行
解決方法10: システムの復元
最近の変更を元に戻します。
手順：
- コントロールパネル > システムとセキュリティ > システム
- 「システムの保護」をクリック
- 「システムの復元」をクリック
- エラーが発生する前の復元ポイントを選択
- 復元を実行
ファイル修復ツールによる解決
圧縮ファイル自体が破損している場合は、専用の修復ツールが効果的です。ここでは、信頼性の高い3つのファイル修復ツールをご紹介します。
1. Wondershare Recoverit ZIPファイル復元
Wondershare Recoveritは、世界中で500万人以上のユーザーに愛用されている総合的なデータ復旧・修復ソフトです。破損したZIPファイルの修復機能も搭載しており、高い成功率を誇ります。
主な特徴：
- 1000種類以上のファイル形式に対応
- 破損したZIP、RAR、7Zファイルの修復
- プレビュー機能で修復前に内容確認可能
- 初心者でも使いやすい直感的なインターフェース
- 無料版でスキャンと小容量ファイルの復旧が可能
使用方法：
- Wondershare Recoveritをダウンロード・インストール
- 「ファイル修復」機能を選択
- 破損した圧縮ファイルを追加
- 「修復」ボタンをクリック
- 修復されたファイルを保存
2. EaseUS Fixoファイル修復
EaseUS Fixoファイル修復は、様々な種類の破損ファイルを修復できる専門ツールです。圧縮ファイルの修復にも対応しており、シンプルな操作で高い修復率を実現します。
主な特徴：
- ZIP、RAR、7Z、TARなど主要な圧縮形式に対応
- バッチ処理で複数ファイルの同時修復
- 修復前のファイル内容プレビュー
- 軽量で高速な処理
- 30日間の無料試用版あり
使用方法：
- EaseUS Fixoをインストール
- 「圧縮ファイル修復」を選択
- 破損したファイルをドラッグ&ドロップ
- 「修復開始」をクリック
- 修復完了後、ファイルを保存
3. Tenorshare 4DDiG ファイル修復
Tenorshare 4DDiGは、データ復旧と修復の両方に対応した多機能ツールです。特に破損した圧縮ファイルの修復において、高い技術力を発揮します。
主な特徴：
- AI技術を活用した高精度修復
- 2000種類以上のファイル形式をサポート
- 深度スキャンによる徹底的な修復
- リアルタイムプレビュー機能
- 24時間365日の技術サポート
使用方法：
- Tenorshare 4DDiGをダウンロード
- 「ファイル修復」モードを選択
- 修復したい圧縮ファイルを選択
- スキャンと修復を実行
- 修復されたファイルを安全な場所に保存
代替解凍ソフトによる解決
Windowsの標準機能で展開できない場合は、より高機能な代替解凍ソフトを使用することで問題を解決できる場合があります。
1. 7-Zip（無料）
公式サイト： https://www.7-zip.org/
特徴：
- 完全無料のオープンソースソフト
- 高い圧縮率と展開成功率
- 多数の圧縮形式に対応
- 破損ファイルの部分的な復旧機能
2. WinRAR（有料）
公式サイト： https://www.win-rar.com/
特徴：
- 業界標準の解凍ソフト
- 強力な修復機能
- パスワード保護ファイルに対応
- 40日間の無料試用期間
3. PeaZip（無料）
公式サイト： https://peazip.github.io/
特徴：
- 200種類以上の圧縮形式に対応
- セキュリティ機能が充実
- ポータブル版も利用可能
- 直感的なユーザーインターフェース
問題を防ぐための予防策
今後同じ問題を避けるために、以下の予防策を実践しましょう。
1. 定期的なシステムメンテナンス
- 月1回のシステムファイルチェック
- ディスククリーンアップの実行
- レジストリクリーナーの使用
2. 適切なダウンロード環境
- 安定したインターネット接続の確保
- ダウンロード完了の確認
- チェックサム（ハッシュ値）の検証
3. バックアップの作成
- 重要な圧縮ファイルの複数コピー保存
- クラウドストレージの活用
- 外部ストレージへのバックアップ
4. セキュリティ対策
- 信頼できるソースからのダウンロード
- ウイルススキャンの実行
- 怪しいファイルの開封回避
5. ストレージの健康管理
- ハードディスクの定期チェック
- 十分な空き容量の確保
- 古いストレージデバイスの交換
まとめ
「圧縮フォルダの展開を完了できません」エラーは、適切な対処法を知っていれば解決できる問題です。
解決の流れ：
- 基本的な方法から試す：管理者権限での実行、展開先の変更など
- 高度な方法を適用：レジストリ修復、システム復元など
- 専用ツールを活用：ファイル修復ソフトや代替解凍ソフト
特に、ファイルが破損している場合は、Wondershare RecoveritやEaseUS Fixoなどの専門的な修復ツールが効果的です。また、7-ZipやWinRARなどの高機能な解凍ソフトを使用することで、Windowsの標準機能では展開できないファイルも処理できる場合があります。
何より大切なのは、問題が発生する前の予防策です。定期的なシステムメンテナンスと適切なバックアップ体制を整えることで、データの安全性を確保できますね。
この記事の方法を試しても解決しない場合は、ファイル自体が完全に破損している可能性があります。その場合は、元のファイルの再取得を検討するか、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
