AviUtlで動画編集をしようとしたとき、「MOVファイルが読み込めない」というエラーに遭遇したことはありませんか?せっかく撮影した大切な動画が編集できないと、本当に困ってしまいますよね。
実は、AviUtlでMOVファイルが読み込めない問題は、適切な対処法を知っていれば簡単に解決できるんです。この記事では、10年間データ分野に携わってきた私ミカが、初心者の方でも安心して実行できる8つの解決方法をご紹介します。
プラグインの導入から動画変換ソフトの活用まで、あなたの状況に最適な解決策がきっと見つかりますよ。
目次
- AviUtlでMOVファイルが読み込めない主な原因
- 【方法1】L-SMASH Worksプラグインを導入する
- 【方法2】動画変換ソフトでMP4に変換する
- 【方法3】DirectShow File Readerの設定を変更する
- 【方法4】コーデックパックを導入する
- 【方法5】FFmpegで事前変換する
- 【方法6】QuickTimeコーデックを確認・更新する
- 【方法7】AviUtlを完全再インストールする
- 【方法8】代替動画編集ソフトを使用する
- 予防策と注意点
- まとめ
AviUtlでMOVファイルが読み込めない主な原因
AviUtlでMOVファイルが読み込めない問題には、以下のような原因があります:
1. 対応プラグインの不足
AviUtl標準では、MOVファイルの読み込み機能が限定的です。特に新しいコーデック(動画圧縮形式)で作成されたMOVファイルは、専用のプラグインが必要になります。
2. コーデックの非対応
MOVファイルには様々なコーデックが使用されており、H.264、H.265(HEVC)、ProResなど、AviUtlが標準で対応していないものがあります。
3. ファイルの破損
撮影時や転送時にファイルが破損している場合、正常に読み込めないことがあります。
4. DirectShow File Readerの設定問題
AviUtl標準の入力プラグインの設定が適切でない場合、MOVファイルを認識できません。
それでは、これらの問題を解決する8つの方法を詳しく見ていきましょう。
【方法1】L-SMASH Worksプラグインを導入する
最も効果的で推奨される解決方法は、L-SMASH Worksプラグインの導入です。このプラグインは、AviUtlでMOVファイルを含む様々な動画形式を読み込めるようにする高性能な入力プラグインです。
導入手順
- L-SMASH Worksをダウンロード
- 公式サイト:https://github.com/VFR-maniac/L-SMASH-Works
- 最新版のzipファイルをダウンロードします
- プラグインファイルを配置
- ダウンロードしたzipファイルを解凍
- 「lwmuxer.auf」「lwdumper.auf」「lwinput.auf」をAviUtlのpluginsフォルダにコピー
- AviUtlを再起動
- AviUtlを完全に終了してから再起動
- 「ファイル」→「環境設定」→「入力プラグインの設定」でL-SMASH Worksが表示されることを確認
- MOVファイルを読み込みテスト
- 「ファイル」→「開く」からMOVファイルを選択
- 正常に読み込めることを確認
L-SMASH Worksの特徴
- 高い互換性:多くのMOVファイル形式に対応
- 高品質:画質劣化なしで読み込み可能
- 安定性:長時間の編集作業でも安定動作
【方法2】動画変換ソフトでMP4に変換する
MOVファイルをAviUtlが確実に読み込めるMP4形式に変換する方法です。この方法は確実性が高く、初心者の方にもおすすめです。
おすすめ動画変換ソフト
HandBrake(無料)

公式サイト:https://handbrake.fr/
オープンソースの高品質動画変換ソフトです。
特徴:
- 完全無料で使用可能
- 高品質な変換が可能
- 豊富なプリセット設定
使用手順:
- HandBrakeをダウンロード・インストール
- MOVファイルをドラッグ&ドロップ
- 出力形式を「MP4」に設定
- 「Start Encode」をクリックして変換開始
VideoProc Converter(有料)

公式サイト:https://jp.videoproc.com/video-converter/
高速変換に対応した使いやすい動画変換ソフトです。
特徴:
- GPU加速による高速変換
- 直感的な操作画面
- バッチ変換対応
使用手順:
- VideoProc Converterを起動
- 「ビデオ」をクリック
- MOVファイルを追加
- 出力形式を「MP4」に設定
- 「RUN」をクリックして変換
Wondershare UniConverter(有料)

公式サイト:https://uniconverter.wondershare.jp/
高速変換と豊富な機能を備えた総合動画変換ソフトです。
特徴:
- 1000以上の動画・音声形式に対応
- 130倍の高速変換技術
- 8K/4K/HDR動画の高品質変換
- 25種類以上の動画関連機能を搭載
変換時の注意点
- 元の画質を保持するため、ビットレートは元ファイルと同等以上に設定
- 音声も同時に変換されることを確認
- 変換後のファイルサイズと再生時間をチェック
【方法3】DirectShow File Readerの設定を変更する
AviUtl標準の入力プラグイン「DirectShow File Reader」の設定を最適化することで、MOVファイルの読み込みが改善される場合があります。
設定変更手順
- AviUtlを起動
- 環境設定を開く
- 「ファイル」→「環境設定」→「入力プラグインの設定」
- DirectShow File Readerを選択
- 設定を変更
- 「DirectShow File Reader の設定」をクリック
- 「ファイル読み込み時に映像と音声を分離する」にチェック
- 「読み込み優先度」を最高に設定
- 設定を保存してAviUtl再起動
この方法が効果的なケース
- 軽微なコーデック問題の場合
- ファイルは認識されるが正常に再生されない場合
- 音声のみ、または映像のみが読み込まれる場合
【方法4】コーデックパックを導入する
システム全体でMOVファイルの再生に必要なコーデックを導入する方法です。
おすすめコーデックパック
K-Lite Codec Pack(無料)
公式サイト:https://codecguide.com/download_kl.htm
包括的なコーデック集として定評があります。
特徴:
- 幅広いファイル形式に対応
- 定期的なアップデート
- 安全性の高いコーデック
導入手順:
- K-Lite Codec Packをダウンロード
- インストーラーを実行
- 「Standard」または「Full」を選択
- インストール完了後、PCを再起動
LAV Filters(無料)
公式サイト:https://github.com/Nevcairiel/LAVFilters
高品質なデコーダーとして人気があります。
特徴:
- 高品質なデコード
- 軽量で安定動作
- オープンソース
注意事項
- 複数のコーデックパックを同時にインストールすると競合する可能性があります
- インストール前に既存のコーデックをアンインストールすることを推奨
- システムの復元ポイントを作成してからインストール
【方法5】FFmpegで事前変換する
コマンドライン動画処理ツール「FFmpeg」を使用して、MOVファイルを変換する方法です。上級者向けですが、非常に高品質な変換が可能です。
FFmpegの導入と使用方法
FFmpeg(無料)
公式サイト:https://ffmpeg.org/
プロフェッショナルレベルの動画処理が可能なツールです。
特徴:
- 最高品質の変換
- 豊富なオプション設定
- バッチ処理対応
基本的な変換コマンド:
ffmpeg -i input.mov -c:v libx264 -c:a aac output.mp4
高品質変換コマンド:
ffmpeg -i input.mov -c:v libx264 -crf 18 -c:a aac -b:a 192k output.mp4
FFmpegのメリット
- 画質劣化を最小限に抑制
- 細かい設定が可能
- バッチ処理で複数ファイルを一括変換
【方法6】QuickTimeコーデックを確認・更新する
MOVファイルはAppleのQuickTime形式のため、QuickTimeコーデックの状態を確認することが重要です。
確認・更新手順
- 現在のQuickTimeバージョンを確認
- コントロールパネル→プログラムと機能でQuickTimeを探す
- 最新版をダウンロード
- Apple公式サイトから最新版をダウンロード
- 古いバージョンをアンインストール
- 既存のQuickTimeを完全にアンインストール
- 新しいバージョンをインストール
- ダウンロードしたインストーラーを実行
- PCを再起動
- AviUtlでMOVファイルの読み込みをテスト
注意点
- QuickTimeのサポートは終了していますが、コーデック機能は依然として有効
- セキュリティ上の理由から、必要最小限の機能のみインストール
【方法7】AviUtlを完全再インストールする
設定ファイルの破損や不適切な設定が原因の場合、AviUtlの完全再インストールが効果的です。
再インストール手順
- 現在の設定をバックアップ
- プロジェクトファイル(.aup)
- カスタム設定ファイル
- 重要なプラグイン
- AviUtlを完全アンインストール
- AviUtlフォルダを削除
- レジストリエントリを削除(上級者向け)
- 最新版AviUtlをダウンロード
- 公式サイトから最新版を入手
- クリーンインストール
- 新しいフォルダにインストール
- 必要なプラグインのみを追加
- 設定を復元
- バックアップした設定を適用
この方法が効果的なケース
- 他の方法で解決しない場合
- AviUtlの動作が全体的に不安定な場合
- 長期間使用して設定が複雑になっている場合
【方法8】代替動画編集ソフトを使用する
どうしてもAviUtlでMOVファイルが読み込めない場合は、MOVファイルに標準対応している代替ソフトの使用を検討しましょう。
おすすめ代替ソフト
DaVinci Resolve(無料)
公式サイト:https://www.blackmagicdesign.com/jp
プロフェッショナルレベルの動画編集ソフトです。
特徴:
- 完全無料で高機能
- MOVファイルに標準対応
- カラーグレーディング機能が優秀
- プロの映像制作現場でも使用
メリット:
- 幅広いファイル形式に対応
- 高品質な出力が可能
- 豊富なエフェクト
Adobe Premiere Pro(有料)
公式サイト:https://www.adobe.com/jp/products/premiere.html
業界標準の動画編集ソフトです。
特徴:
- 業界標準の機能
- MOVファイルに完全対応
- Creative Cloudとの連携
- 豊富なプラグイン
メリット:
- プロレベルの編集機能
- 他のAdobeソフトとの連携
- 定期的なアップデート
Filmora(有料)

公式サイト:https://filmora.wondershare.jp/
初心者向けの使いやすい動画編集ソフトです。
特徴:
- 直感的な操作画面
- 豊富なテンプレート
- MOVファイルに対応
- 手頃な価格
メリット:
- 学習コストが低い
- 豊富なエフェクト
- 定期的な新機能追加
代替ソフト選択のポイント
- 編集の複雑さに応じて選択
- 予算と機能のバランスを考慮
- 将来的な拡張性も検討
予防策と注意点
撮影時の注意点
- 可能であれば、最初からMP4形式で撮影
- ファイルサイズが大きすぎる場合は適切な設定で撮影
- 撮影後は速やかにバックアップを作成
ファイル管理の注意点
- MOVファイルは破損しやすいため、複数箇所にバックアップ
- 転送時は確実な方法(USBケーブル、高品質SDカード等)を使用
- 定期的にファイルの整合性をチェック
AviUtl環境の維持
- プラグインは信頼できるソースからのみダウンロード
- 定期的にAviUtlとプラグインを最新版に更新
- 重要なプロジェクトは複数の形式でバックアップ
まとめ
AviUtlでMOVファイルが読み込めない問題は、適切な対処法を知っていれば必ず解決できます。
最も効果的な解決方法:
- L-SMASH Worksプラグイン導入(推奨)
- 動画変換ソフトでMP4変換(確実)
- 代替動画編集ソフトの使用(根本的解決)
初心者の方には:
- HandBrakeでの変換
- DaVinci Resolveへの移行
上級者の方には:
- L-SMASH Worksプラグイン
- FFmpegでの高品質変換
どの方法を選択するかは、あなたの技術レベルと編集の目的によって決まります。まずは簡単な方法から試して、段階的により高度な解決策に挑戦してみてくださいね。
大切な動画ファイルを安全に編集できるよう、この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。