「Excelが重くて作業が進まない」「ファイルを開くのに時間がかかりすぎる」そんな悩みを抱えていませんか?実は、Excelの動作が重くなる主な原因の一つが、蓄積されたキャッシュファイルです。
キャッシュは本来、作業効率を向上させるために存在しますが、時間が経つにつれて大量に蓄積され、逆にExcelの動作を重くしてしまいます。この記事では、エクセル重いキャッシュを安全に削除する8つの方法を、初心者でも分かりやすく解説します。
適切なキャッシュ削除により、Excelの動作を劇的に軽くすることができます。また、関連記事としてエクセル重い動作を軽くする方法10選も併せてご覧ください。
目次
- Excelが重くなる原因とキャッシュの関係
- 【基本編】Excelキャッシュ削除方法4選
- 【上級編】システムレベルでのキャッシュ削除4選
- キャッシュ削除時の注意点とバックアップ方法
- 削除後のExcel最適化設定
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
Excelが重くなる原因とキャッシュの関係
キャッシュとは何か
キャッシュとは、Excelが作業効率を向上させるために一時的に保存するデータのことです。以下のような種類があります:
- 一時ファイル: 作業中のファイルの自動保存データ
- 最近使用したファイル履歴: ファイル開封履歴の記録
- ピボットテーブルキャッシュ: ピボットテーブルのデータソース
- Power Queryキャッシュ: データ変換処理の中間結果
- アドインキャッシュ: 追加機能の設定情報
キャッシュが蓄積される仕組み
Excelを使用するたびに、以下の場所にキャッシュが蓄積されます:
- Windowsの一時フォルダ (
%temp%) - Officeキャッシュフォルダ (
%localappdata%\Microsoft\Office\16.0\OfficeFileCache) - ユーザープロファイル内 の各種設定ファイル
重くなる具体的な症状
エクセル重いキャッシュが原因で発生する症状:
- ファイルの開封に30秒以上かかる
- 数式の計算が異常に遅い
- 保存時に「応答なし」状態になる
- メモリ使用量が1GB以上になる
- スクロールがカクカクする
【基本編】Excelキャッシュ削除方法4選
方法1:Excelオプションからキャッシュファイル削除
最も安全で確実な方法です。
手順:
- Excelを起動し、「ファイル」→「オプション」をクリック
- 左側メニューから「詳細設定」を選択
- 「全般」セクションで「Webオプション」をクリック
- 「ファイル」タブで「一時ファイルの削除」をクリック
- 「OK」で設定を保存
効果: Webベースのキャッシュとアドインキャッシュを安全に削除
方法2:一時ファイルフォルダの手動削除
Windowsの一時フォルダから直接削除する方法です。
手順:
Windows + Rキーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開く%temp%と入力してEnterキー- フォルダ内で「Excel」または「~$」で始まるファイルを検索
- 見つかったファイルを全て選択して削除
- ゴミ箱を空にする
効果: 作業中の一時ファイルとバックアップファイルを削除
方法3:ファイル検査機能による最適化
Excel内蔵の最適化機能を使用します。
手順:
- 重いExcelファイルを開く
- 「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」をクリック
- 「ドキュメント検査」を選択
- 「検査」をクリックして問題を特定
- 「すべて削除」で不要なデータを削除
効果: ファイル内の隠れたキャッシュデータと不要な書式を削除
方法4:最近使用したファイル履歴のクリア
ファイル履歴のキャッシュを削除します。
手順:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「表示」セクションで「最近使用したブックの一覧に表示するブック数」を0に設定
- 「OK」をクリック
- 再度同じ場所で数値を元に戻す(通常は25)
効果: 最近使用したファイルの履歴キャッシュをリセット
【上級編】システムレベルでのキャッシュ削除4選
方法5:OfficeFileCacheフォルダの完全削除
注意:この方法は上級者向けです。必ずバックアップを取ってから実行してください。
手順:
- 全てのOfficeアプリケーションを終了
Windows + Rで「ファイル名を指定して実行」を開く%localappdata%\Microsoft\Office\16.0\OfficeFileCacheと入力- フォルダ内の全ファイルを削除
- PCを再起動
効果: Officeの全キャッシュファイルを完全削除
方法6:Power Queryキャッシュの削除
データ変換機能のキャッシュを削除します。
手順:
- 「データ」タブ→「クエリと接続」をクリック
- 各クエリを右クリック→「削除」
%localappdata%\Microsoft\Office\16.0\PowerQueryフォルダを開く- 「Cache」フォルダ内のファイルを全て削除
効果: Power Queryの処理キャッシュを削除し、メモリ使用量を削減
方法7:ピボットテーブルキャッシュの最適化
手順:
- ピボットテーブルを選択
- 「ピボットテーブル分析」タブ→「オプション」
- 「データ」タブで「ファイルと一緒にデータを保存する」のチェックを外す
- 「OK」をクリック
- ファイルを保存
効果: ピボットテーブルのデータキャッシュサイズを削減
方法8:レジストリクリーニング(注意事項付き)
⚠️ 警告:レジストリの編集は慎重に行ってください。間違った操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。
推奨ツール:
1. CCleaner – 安全なレジストリクリーニング
公式サイト:https://www.ccleaner.com/ja-jp

手順(CCleanerを使用):
- CCleanerをダウンロード・インストール
- 「レジストリ」タブを選択
- 「問題をスキャン」をクリック
- Officeに関連する項目のみを選択
- 「選択された問題を解決」をクリック
2. Advanced SystemCare – 包括的なシステム最適化
公式サイト:https://jp.iobit.com/pc-speedup-software/advanced-systemcare-pro.html

キャッシュ削除時の注意点とバックアップ方法
削除前の必須チェック項目
- 作業中のファイルを全て保存
- Officeアプリケーションを全て終了
- 重要なファイルのバックアップを作成
- システムの復元ポイントを作成
データ損失を防ぐバックアップ手順
重要ファイルのバックアップ:
1. 作業中のExcelファイルをクラウドストレージに保存
2. %appdata%\Microsoft\Excel フォルダをコピー
3. カスタムテンプレートがある場合は別途保存
復旧方法の説明
キャッシュ削除後に問題が発生した場合:
- Excelのセーフモード起動:
excel /safeコマンドで起動 - Office修復機能: コントロールパネル→プログラム→Microsoft Office→変更→クイック修復
- システムの復元: 作成した復元ポイントに戻す
削除後のExcel最適化設定
パフォーマンス向上のための設定変更
計算設定の最適化:
- 「ファイル」→「オプション」→「数式」
- 「計算方法」を「手動」に変更(大きなファイルの場合)
- 「マルチスレッド計算を有効にする」にチェック
表示設定の軽量化:
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「表示オプション」で以下を無効化:
- ページ区切りを表示する
- 数式バーを表示する(必要に応じて)
- グリッド線を表示する(必要に応じて)
今後重くならないための予防策
- 定期的なキャッシュクリア: 月1回の頻度で実施
- 不要なアドインの無効化: 使用しないアドインは削除
- ファイルサイズの監視: 10MB以上のファイルは定期的に最適化
- 自動保存間隔の調整: 10分間隔に設定
定期メンテナンスのスケジュール提案
週次メンテナンス:
- 一時ファイルの削除
- 最近使用したファイル履歴のクリア
月次メンテナンス:
- OfficeFileCacheの削除
- ピボットテーブルキャッシュの最適化
四半期メンテナンス:
- システム全体のクリーニング
- Officeの修復実行
よくある質問(FAQ)
Q1: 削除しても安全なキャッシュの見分け方は?
A: 以下のキャッシュは安全に削除できます:
- 一時ファイル(~$で始まるファイル)
- OfficeFileCacheフォルダ内のファイル
- 最近使用したファイル履歴
ただし、作業中のファイルは保存してから削除してください。
Q2: Macでの対応方法は?
A: Macの場合は以下の場所のキャッシュを削除:
~/Library/Caches/com.microsoft.Excel/
~/Library/Application Support/Microsoft/Office/
Q3: 削除後に問題が発生した場合の対処法は?
A: 以下の順序で対処:
- Excelをセーフモードで起動
- Office修復機能を実行
- システムの復元を実行
- 最悪の場合、Officeを再インストール
Q4: どのくらいの頻度でキャッシュ削除すべき?
A: 使用頻度により異なりますが:
- 毎日使用:週1回
- 週数回使用:月1回
- 月数回使用:四半期に1回
まとめ
エクセル重いキャッシュの削除は、Excelのパフォーマンス向上に非常に効果的です。本記事で紹介した8つの方法を適切に実行することで、動作の重さを大幅に改善できます。
重要なポイント:
- 基本編の方法から始める – 安全性を重視し、段階的に実行
- 必ずバックアップを取る – データ損失のリスクを最小限に
- 定期的なメンテナンス – 予防的な対策で重くなることを防ぐ
- 適切なツールの活用 – 信頼できるクリーニングソフトを使用
キャッシュ削除により、Excelの起動時間短縮、計算速度向上、メモリ使用量削減などの効果が期待できます。ただし、上級編の方法を実行する際は十分注意し、不安な場合は専門家に相談することをお勧めします。
定期的なキャッシュ削除を習慣化することで、常に快適なExcel環境を維持できるでしょう。